SNS動画や漫画、アニメ・映画など、活字離れが進み、読書が苦手な人も多くなりましたね。
皆さんは読書はお好きですか?活字を読んでいますか?
活字を読むと語彙力・文章力が養われるだけでなく、教養や知識も身に付きます。
これらは人と上手にコミュニケーションをとるために大事なことばかり。
特にミステリー小説はコミュニケーション能力向上だけでなく仕事の効率を高め、ストレス解消にもなります。
私自身、人見知りで上手くコミュニケーションがとれず人間関係に悩む人生を送ってきました。自分を出すのが苦手で、思ったことを伝えられず周りに合わせてばかり。
そこで出会ったのがミステリー小説でした。
ミステリーの良さは、謎解きをするように人の言動に興味を持つようになること。そして表現力が身に付くことです。
人間は大変だね
ぼくはおしりのにおいを嗅ぐとだいたい分かるよ
私が自分を変えるヒントはミステリー小説の中にありました。
仕事や人間関係にお悩みでしたら、自己啓発本を買ったりセミナーに通う必要はありません!!ミステリー小説を読みましょう!
ミステリー小説と推理小説の違いとは
皆さんはミステリー小説というとどんなストーリーを思い浮かべますか?
おそらく、犯人が犯した事件を警察や探偵が推理して謎を解く。と言ったストーリーが思いつくのではないでしょうか?
実はこのようなストーリーは推理小説に分類されます。
日本の推理小説の生みの親と言われる江戸川乱歩の「主として犯罪に関する難解な秘密が、論理的に、徐々に解かれていく経路のおもしろさを主眼とする文学」という見解が推理小説の答えとされているからです。
では、ミステリー小説はどうなるのか。
ミステリーは犯罪にこだわりません。「日常ミステリー」や「本格ミステリー」などジャンルは様々です。
世の中の解明されていない謎はすべてミステリーなんだ
こまちが夜中に運動会始めるのもミステリーだね
ミステリー小説を読むメリット
ストレス発散
小説を読んでいる時間は現実世界から解放されます。物語に没頭することで自分が小説の中にいるような体験が出来るため、今抱えている悩みや不安を忘れ、ストレス発散につながります。
特にミステリー小説は「謎を解く」というテーマがあります。様々な登場人物の心境を考え、推理し、真実が分かった時はスッキリしますよね。
スポーツや買い物と同じような爽快感をミステリー小説を読むことで体験出来るんです。
ストレスを溜めると人間関係や仕事に悪影響が出ます。ミステリー小説を読むことだけがストレス発散になるとは言いません。ですが、お家時間の楽しみの一つに組み込んでみるのも良いのではないでしょうか。
表現力が身に付く
表現力は人とコミュニケーションをとる上でとても大事です。
感謝や謝罪をするとき、自分の気持ちを伝えるときに表現力がないと上手く伝わりません。それによって誤解を生む恐れもあります。
小説の文章は豊富な表現で出来ているため、読むだけで正しい言葉で様々な感情を表現出来るようになるのです。
自己啓発本やビジネス書には小説のような感情を表現する言葉はほぼありません。
それは登場人物がいないからです。
様々な立場の人物が複雑に絡み合うミステリー小説は感情を表す表現がたくさん出てきます。
表現力が上がるとメールや文書を作成する際にも役立ちますので、是非日常に取り入れてみて下さい。
感受性が育つ
誰かと話している際に「本当に思ってる?」と感じたことはありませんか?
もしかしたら同じことをあなたも思われているかもしれません。
なぜ言葉に心が入っていないように思われてしまうのか。
それは感受性が乏しいからです。
相手に共感したり、疑問を感じたり、感銘を受けたり・・・
あなたの感情が動かないと、話を聞いていないのかと思われてしまいます。
人間関係の対策の本はたくさんありますが、それらを読んでも「著者の意見に共感した」だけです。
書かれてあることを実践するだけではなく、あなた自身が感情を動かされるようにならなければ意味はありません。
ミステリー小説には主人公以外にも様々な登場人物が出てきますが、謎を解くためにそれぞれの心境を考えると思います。
そうすることで違った立場から物事を考え、新たな発見や自分の想像以上の事柄に感情が動くことになるでしょう。
観察力が身に付く
学校や職場は人間社会で出来ています。そのため人付き合いの悩みがつきません。
「あの人は自分勝手だ」
「いつも約束の時間に遅れてくる」
「人の悪口ばかり言っている」
など、人へ苦手意識を持つ理由は様々です。
でもあなたが感じている苦手部分は、その人からしたら何か事情や理由があってのことかもしれません。
一方的に決めつけるのではなく、違う方向から考えてみて下さい。そうすることで苦手意識がなくなり、人付き合いへのストレスが減るかもしれません。
そうするためには、相手を良く観察することです。その人の言動を観察することで今までは見えなかった良いところや何かしらの事情を知ることが出来るでしょう。
ミステリー小説のあるあるの一つ
「意外な人が犯人だった」
これは登場人物を良く観察していると分かることです。些細な言動が実は重要なことで、犯人を突き止める要素だったりするのです。
犯人当てが得意になると観察力が上がっているということにつながります。
こんなにメリットがあるんだね
コミュ症のぢどりも変わるわけだ
ミステリー小説が脳に与える影響
脳は休むことなく様々な情報を処理したり体への伝達を行っています。そうしないと脳はどんどん退化していくからです。
脳が退化すると記憶力や言語能力の低下など生活に支障が出てしまいます・・・
一般的に脳の退化は30歳くらいから始まると言われています。30歳と言えばまだまだ仕事や趣味に時間を費やしたいところ。
そんな時に脳が退化するなんて考えたくないですよね。
そうならないためにも日々脳に刺激を与え、活性化する必要があります。
脳を活性化させるには小説を読むことが効果的です。特にミステリー小説は「推理する」ということが大脳の活性化につながります。
繊細な描写が脳にイメージを作り出し、豊富な表現が脳の言語を処理する部位を活性化させる。そして小説の世界に自分がいるかのような錯覚が、脳に新たな経験をしたかのように刺激を与えてくれるのです。
非現実的なことが起こるミステリー小説は脳のトレーニングにも大変効果的です。
おすすめのミステリー小説
私が今まで読んで特に印象に残っている小説をご紹介します。
どれも人間の感情が複雑に絡み合う名作です。是非、登場人物の心境を考えて読んでみて下さい。
さまよう刃 東野圭吾
映画・ドラマ化もされ、150万部を超えるベストセラーとなった東野圭吾の名作です。
あらすじ
ある日、長峰重樹の最愛の一人娘・絵摩が死体で発見される。数日後、悲しみに暮れる長峰のもとに犯人の居場所を告げる密告電話があり、そこに向かった長峰は娘が2人の犯人により凌辱されて殺されたことを知る。
復讐を決めた長峰は、偶然そこに帰ってきた犯人の一人を殺害し、警察やマスコミから身を隠しながらもう一人の犯人を追う。
感想
ラストの予想外の結末は「正義とは何か、犯人を裁くのは誰であるべきなのか・・・」と、深いテーマが胸を打ちます。
犯人が少年法で守られるという、被害者遺族にとって悲しくツラい問題にどう向き合うべきなのかを考えさせられる作品でした。
被害者遺族から殺人犯になった長峰。そんな長峰に次第に味方していく世論と、長峰を追う警察の心の迷い。そして犯人の少年の親。それぞれの心境は読んでいて心が大きく揺さぶられます。
手紙 東野圭吾
こちらは加害者遺族の視点から描かれる物語です。
映画・ドラマ化だけでなく、舞台化・ミュージカルにもなった240万部を超える、東野圭吾の代表作。
あらすじ
弟と二人暮らしの武藤剛志は、弟の進学資金のため空き巣に入る。そして、そこの住人を殺してしまい強盗殺人犯となり服役することに。
弟の直貴は「強盗殺人犯の弟」というレッテルのせいで、進学、恋愛、就職と、思うようにいかない生活を送る。しかし、そんなことを知らない剛志は、毎月直貴に日常を綴った手紙を送り続けた。
平穏な服役生活を送る剛志と直貴の間には溝が生まれていく。
直貴は自分を理解してくれる由美子と結婚し、娘の実紀が生まれる。やっと訪れたと思った幸せだったが、今度は実紀が仲間はずれにされてしまう。そして直貴は獄中の兄に最後の手紙を送るのだった。
感想
加害者家族となった自分の家族が、世間の差別の中で生きていく苦しみもまた、受刑者が受ける刑の一つ。これはかなり衝撃的でした。
重いテーマではありますが、ラストは感動で涙が溢れます。
その女アレックス ピエール・ルメートル
「週刊文春2014年ミステリーベスト10」堂々1位!「ミステリが読みたい!」「IN POCKET文庫翻訳ミステリー」でも1位!他にも数々の賞を受賞した究極のサスペンス。
あらすじ
「おまえが死ぬのを見たい」男はそう言ってアレックスを檻に幽閉した。
衰弱していくアレックスは死を目前に脱出を試みる。しかし、ここまでは序章に過ぎない。孤独なアレックスの壮絶な人生と秘密、そして彼女の計画とは?
物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける驚愕のラストへとつながる。
感想
物語の視点が、犯人や警部、様々な登場人物へと目まぐるしく変わります。
全ての予想を裏切ってくるストーリー展開で、一気読み必須の一冊です。
「なぜ監禁されているんだろう?」から始まり、アレックスへの印象も変わっていく。ミステリー好きにはたまりません。
母性 港かなえ
2022年に戸田恵梨香主演で映画化された、第26回山本周五郎賞候補作品。
あらすじ
女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。これは事故か自殺か、世間は騒ぐ。母親は「私は愛能う限り、娘を大切に育ててきました」と、言葉を詰まらせながら神父に告げる。
母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。事故か、それとも・・・。「母と娘」を巡るミステリー。
感想
自身は愛されて育ったのに娘を愛することが出来ない母親と、その母親からの愛情を求め続ける娘の物語です。
リアルな人物設定なので気持ちが入りやすく、「母親の役目」という現代の問題にも関するテーマが印象的でした。終盤まで「母親」と「娘」の名前が伏せられているというところにミステリー特有の心理的効果が感じられます。
モンスター 百田尚樹
2013年に映画化され、同年11月には文庫本の発行部数も100万部を突破した、日本の作家・百田尚樹による小説。
あらすじ
田舎町でレストランを経営する絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた未帆は、整形手術に目覚める。
絶世の美女となった未帆だったが、亡霊のように蘇ってきたのはひとりの男への狂おしいまでの情念だった。
感想
こちらはミステリーではありません。
醜かった女性が美容整形により美しくなっていく過程がとてもリアルで面白いです。
見た目で判断される世の中から生まれたモンスター。最後はハッピーエンドなのかバッドエンドなのかを決めるのは読み手次第です。
女性ならば誰もが引き込まれる小説でしょう。
私がミステリー小説を読んで変わったこと
「親友って呼べる友達っている?」
学生時代の友人に言われた言葉です。
私が表面でしか人と関わっっていないことに気付いたのでしょう。
その後ミステリー小説の面白さに目覚めました。最初は謎解きにハマって読んでいたのですが次第に人間心理に興味を持つように。
加害者側にも事情があったり、被害者側が悪であったりもする。自分だったらどうするか、どう感じるか。
それから実生活でも相手の言葉を良く聞くようになり、表情を見て気持ちを汲んだりするようになりました。また、自分の本心を伝えるときに言葉がスッと出るようになりました。
それにより人間関係が上手くいき、接客の仕事にやりがいを感じるようになったのです。
まるで小説の延長に実生活があるような感覚です。
「この人がこんな言い方をしたのは何か事情があるからかもしれない」
「もっと寄り添ったら理解出来るかも」
人の悩みを謎解き感覚で楽しんでる・・・そう言われればそうかもしれませんね。
でもミステリー小説が無機質だった私を変えてくれたのは事実です。
もし人間関係で悩んでいるのでしたらミステリー小説を読んでみて下さい。
変わるきっかけになるかもしれませんよ。
おしまい
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