皆さんは通学や通勤などで自転車を利用していますか?
維持費や駐車場の心配がないのは自転車移動の魅力ですよね。気軽に乗れるので、よほどの長距離でなければ自転車で移動している方は多いと思います。
しかし、年齢に関係なく自転車に乗る時はヘルメットの着用が義務化になることを知っていますか?ただし、義務と言っても「努力義務」。
努力義務?
義務化とはどう違うんだ?
努力義務と言われてもピンときませんよね。守らなかった場合の罰則はあるのか?取り締まりはどのように行うのか?
私も自転車ユーザーの一人です。「これはただ事ではない!!」と、徹底的に調べ上げ記事にした次第です。
自転車利用者の増加に伴い増える自転車事故。
ご自身やご家族のためにも、今回の努力義務化について考えて頂けたらと思います。
改正道路交通法
警視庁のHPによると、改正道路交通法の施行により、令和5年4月1日から自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されるとのことです。
どうやら冗談ではないようです。
ちなみに令和5年3月31日までの道路交通法は「保護者の方は、13歳未満の子供にヘルメットをかぶせるように努めなければならない」となっています。
それが、年齢に関わらず全利用者のヘルメット着用が義務になるのが今回の改正道路交通法です。
道路交通法 第63条 第1項 自転車の運転者は、乗車用ヘルメットをかぶるよう努めなければならない。 第2項 自転車の運転者は、他人を当該自転車に乗車させるときは、当該他人に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。 第3項 児童又は幼児を保護する責任のある者は、児童又は幼児が自転車を運転するときは、当該児童又は幼児に乗車用ヘルメットをかぶらせるよう努めなければならない。
なぜ道路交通法が改正されるのか
そもそもどうして今になって改正されたの?
自転車でのデリバリーサービスが増えたこと、また自動車保持者の減少により、自転車利用者の数は年々増加し、今では2人に1人が自転車を所有していると言われています。
それに伴い増えるのが自転車による事故。発生件数及び負傷者ともに増加しています。
私の住む仙台市の調査によると、年齢では15~19歳特に高校生の事故が最も多いようです。事故の原因は約半数が安全不確認などの違反。
また、事故による死傷者でヘルメットを着用していた割合は10%に満たなかったとのこと。
自転車事故で死亡した人の約7割が、頭部に致命傷を負っています。
もしヘルメットを着用していたら負傷の程度を軽減出来ていたかもしれませんね。
このような背景から、交通事故による被害を軽減するため子供も大人もヘルメットを着用しましょう!というのが道路交通法が改正された理由なのです。
なるほど!
数字で見ると自転車の危険度が分かるな
ヘルメット着用義務に対する意見
ヘルメット着用の重要性や、自転車事故の危険性は理解出来ますが・・・
いざ、かぶるとなると抵抗がありませんか?
実際に、普段から自転車を利用している人たちは・・・
髪の毛をアップにまとめられないし、夏は蒸れや汗でメイクが崩れるかも・・・
「ヘルメットを無くしたり、盗難の心配がある。保管にも困る」
「高齢者にはきびしい」
「髪形に気を遣うから出勤には自転車を利用できなくなる」
など、否定的な意見が多い気がします。私も自転車利用者なので、納得する意見ばかりです。
一方、歩行者や車のドライバーから見ると・・・
自転車と車道を並走するのが怖い。万が一のためにもヘルメット着用は必須
歩道での危険な走行は歩行者を巻き込むんじゃないかと怖い。ヘルメットを着用することで安全意識を持ってほしい
「命を守るためのものだから着用すべき」
「歩道や車道に飛び出してくるような自転車の運転をするから事故が増える。ヘルメット着用より、走行マナーを取り締まるべき」
「年配の方や子供を乗せての運転の時はかぶった方がいい」
やはり、自転車の危険な走行が目につくのでしょう。巻き込まれたりしたら嫌ですものね。
皆さんはどのように思いますか?
義務努力とは?
出たな、努力義務!
さて、改正される道路交通法にある「努力義務」。これは義務とは何が違うのでしょうか?
道路交通法では「努めなければならない」となっています。つまり、強制ではなく罰則もありません。警察庁は、大人も含めてヘルメット着用を習慣化することで事故による被害を最小限に抑えていきたいとしています。
取り締まりはどうなるのかというと、おそらく自転車利用者に対して呼び掛けをしていくのではと思われます。注意ではなく、お願いでしょうね。
正直、それでヘルメット着用者が増えるかというと「効果は望めない」というのが現実だと思います。子供の送り迎えや長距離の走行の場合は安全のため必要だと思いますが、近くに買い物に行くだけだったり、毎日の出勤でのヘルメット着用はやはり抵抗があります。
はっきり言うと、完全義務化になっても厳しいでしょう。
それでは、すでにヘルメット着用の努力義務化がされている愛知県では普及は進んでいるのでしょうか。
愛知県でのヘルメット着用の現状
愛知県では2021年10月から、すでに条例で自転車利用者のヘルメット着用が努力義務化されています。
県警は自転車利用者に対してヘルメット着用の呼びかけを行っているようですが、1年でその効果はあったのでしょうか。
愛知県の調査にとると、ヘルメットを着用していない自転車利用者は、条例施行前の2019年で全体の94%。条例施行後の2022年では79%。
あまり効果がないような・・・。
実際、ヘルメットをかぶっているのは子供やスポーツタイプの自転車に乗るひとがほとんど。
通勤や街乗りで利用する人はほぼかぶっていません。条例で決められていることは知っているのでしょうが、着用するまでには至らないようです。
現実はなかなか難しそうだね
今後、見直すべき点
私自身、通勤や買い物の際は自転車を利用しています。
危険な走行や安全確認を怠っている自転車利用者もよく見ます。
でも、自転車事故を防ぐのにヘルメット着用を普及させるのは、果たして問題解決になるのでしょうか・・・私は、他にも見直すべき点があるように思います。
交通ルールの徹底
ところで、自転車の交通ルールをいつ学んだか覚えている人はいますか?
おそらく、小学生の時の交通安全教室がほとんどだと思います。学校におまわりさんが来て指導してくれるアレです。
アレ・・・覚えていますか?大人になってから思い出すことありますか?
私に至っては、かなりの田舎出身者のため自転車に交通ルールがあるということを大人になってから知りました。標識や信号もほとんどないような田舎なので、田んぼに落ちないことだけ気を付けたらいいと思って育ちました。道路はゴーカートのコースみたいなもんです。
「二人乗り禁止」「ハンドルに荷物をかけてはいけない」というのも、免許の更新で見たDVDで知って驚愕でした。
私のように、自転車の交通ルールを知らない人って結構いると思うんです。まずはそこから改善しなくてはヘルメットをかぶっても意味がない!
大人が正しいルールを身につけ、それを子供に教える。そのためには、自転車利用者が安全運転を意識しなければいけません。今一度交通ルールを再確認しましょう。
自転車レーンでの注意点
私の住んでいる仙台市の主要道路の歩道・横断歩道には自転車レーンが設置されています。しかし、この自転車レーン・・・歩行者歩きすぎ!広い歩道があるのに、なぜか自転車レーンを歩いているんですよ。しかも、スマホ見ながら・フラフラ蛇行しながら・友達とふざけあいながら・・・
こうなると、自転車は歩行者を追い越そうと避けますよね。そして事故が起きます。
自転車レーンは車道だと思って欲しいです。自転車は、スピード出す人もいれば、とっさの判断が遅くなる高齢者、お子さんも利用しています。車よりも危険だと思って下さい。
自転車は道路交通法上「軽車両」です。馬と一緒です。馬に勝てますか?
歩行者の皆さんが気をつけて頂くだけでも自転車事故は減ります。ご自身の安全のためにも大事な事です。歩行者は歩道を歩きましょう!
ドライバーのマナー
自転車レーンがない道路では、自転車は車道の端を左側通行しなければなりません。
その際、気を付けるべきは路上駐車!
避けようとして対向車にぶつかったり、後方の車に気づかずに飛び出したり・・・。実際、自転車事故のほとんどが車道で起きています。
あと、左折する際に歩行者に気をとられて自転車に気づいていないというドライバーも多いです。
細心の注意を払って頂きたいです。
おすすめの最新ヘルメット
ヘルメットって言うと「安全第一」か、中学の校章が入ってるイメージなんだよ
ヘルメットをかぶるうえで気になるのが、デザイン!
街乗りの自転車では「ヘルメットをかぶるなんてダサい!」と感じますよね。例えばママチャリに合うヘルメットってピンと来ない・・・。
子供だっておしゃれなヘルメットの方がいいに決まってます。
今はヘルメットもかなり進化して、デザイン性だけじゃなく軽量されたものや折りたためるものも。
自分好みのヘルメットがあると、かぶるのが楽しみになりますね。
とは言え、自転車用のヘルメットはなかなか売っているお店がありません。あってもスポーツタイプのものや高価なものばかり。
私も色々探しましたが、ネットショップだと種類も多く値段も抑えられるようです。
これを機会に、ご自身の好みに合ったヘルメットを探してみてはいかがでしょう。探すだけなら無料ですしね。
女性におすすめはデザイン性の高いこちら↓
男性におすすめなのは通気性に優れたこちら↓
キッズ用はかわいいデザインが多いですね。プレゼントにも良さそうです。
本当に守るべきもの
ヘルメットは頭部へのダメージを軽減してくれます。命を守っていくれるということです。それは、自分だけじゃなく家族や大事な人たちの生活を守るということでもあると思います。
今一度、ヘルメット着用への考え方を正してみてはいかがでしょうか。
それでもやはり「かぶりたくない!」と言う方は、交通ルールを徹底して守らなければいけません。
とは言え、いくら自分がルールを守っても防げない事故も起きてしまいます。
それを防ぐためにも、歩行者や車の動きにも意識を集中しなければいけません。
「あの歩行者は後ろを確認せずに方向転換しそうだな」「あの車はこちらを見ていないかな危険だな」など、考えうることすべてを意識して事故を防ぐことが大事です。
自分を守るために何を守るか。身体?ルール?これからも安全に自転車を利用できるよう考えてみてはいかがでしょうか。
おしまい