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【包丁研ぎ】初心者でも簡単に砥げるようになる!包丁研ぎ講座

暮らす
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皆さんが自宅で使用している包丁。切れ味はいかがですか?トマトを薄くスライス出来ますか?
私の使っている包丁はほぼ鈍器で、「切る」というより「叩き割っている」に近い感じでした。

タロ
タロ

包丁の切れ味が悪いとケガが怖いし
何よりストレスなんだよね

そんな折、ちょうど良く大根のかつらむきで指を切ったので包丁を研ぐことに。そして、どうせなら本格的な研ぎ方を身に付けようと、刃物職人さんの講座を受けることにしました。
「餅は餅屋」と言うように、刃物は刃物屋さんに習うのが間違いないでしょう。

講座を受け、自宅に帰ってきてさっそく研いだ包丁を使ってみたら・・・
新品時以上に切れました!!!
素人の私でもここまで切れるように研げるなんて・・・正直予想してなかったです!

講座は約2時間で、包丁について知る座学と実演。そして各自持参した包丁2本を実際に研いでみるという内容。
とても勉強になったので講座の内容をまとめました!包丁研ぎに興味のある方は参考にして頂きたいです。

今回の記事

・包丁について
・包丁の選び方
・研ぎ方

包丁の購入を考えている方も参考になるので、是非最後までお読み頂きたいです。

包丁研ぎ講座のレビュー記事はこちらから

>>迫田刃物二代目迫田剛さんによる【包丁研ぎ講座】を受けてみた (tarocoma.com)

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迫田剛さんについて

迫田剛さんは400年の土佐打刃物の伝統技法を受け継ぎ鍛造にいそしむ「迫田刃物(さこだはもの)」の二代目です。20年以上にわたり複数の鍛治師・研ぎ師に師事し、砥石での研ぎ方、手入れの仕方を広く広める活動をされています。

高知県須崎市ご出身。越前の清水刃物・江戸刃物・三条市の吉金刃物等で修業し、その間に田中砥石で砥石と手研ぎの技術も習得。平成30年に父親である迫田刃物の初代「迫田春義」に師事。日本鍛治学会発足と同時に入会しています。

迫田刃物オフィシャルサイト

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包丁について

産地

現在、日本で包丁を生産している主な産地は、三条市・燕市(新潟県)・関市(岐阜県)・越前市(福井県)・堺市(大阪府)・土佐(高知県東部~中部)などがあります。


いずれも打刃物(鉄と鋼を打って作り出す刃物)で有名な産地です。
機械生産のものも多く出回っていますが、打刃物は日本刀などの製造から受け継がれてきた日本の伝統製法です。非常に丈夫で切れ味に優れているのが特徴。

包丁の歴史は日本刀の歴史ともつながりがあり、いずれの産地も歴史的に重要な土地なのだとか。

ちなみに、三条市・燕市を「燕三条市」と呼ばれることを、どちらの市も面白く思っていないとのことです。それぞれのプライドを尊重するようにしましょう!

「片刃」と「両刃」

包丁を研ぐにはまず包丁を知らなければなりません。

包丁には「片刃」と「両刃」があります。一般的には片刃は「和包丁」、両刃は「洋包丁」という分け方をしますが、今はどこの家庭でも両刃が主流のようで、片刃を使うのはプロの料理人が多いとのこと。

片刃はまっすぐ切るのが難しい反面、食材の断面をきれいに仕上げる事が出来ます。
一方両刃はバランス良く力が入るので、家庭で良く使われている三徳包丁はほとんどが両刃で出来ています。

「本焼き」と「合わせ」

包丁は単一の鋼材で作られる「本焼き」や「全鋼」、鋼と軟鉄など2種類の素材を組み合わせて作る「合わせ」という構造で作られています。

本焼き包丁は作るのに手間ひまがかかるため高級品です。硬度が高く研ぐのが難しいですが、歪みや反りが出にくく、きちんと手入れすると長く使うことが出来ます。

合わせ包丁は刃になる部分に鋼を使用し、周りは軟鉄などを組み合わせて作られた包丁です。日本古来の包丁のほとんどがこの「合わせ包丁」です。本焼きより研ぎやすく丈夫なのが特徴。広く使用されています。

こまち
こまち

包丁の仕組みを知ることで
包丁を通っぽく買えるな
かっこいい!!

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包丁の選び方

まず、包丁は専門店で探すことをおすすめします。
量販店やデパートなどで売られているものが悪いというわけではなく、売っている人に正しい知識があるかということが重要とのことでした。

長く使う包丁を探しているのであれば、まずは自分が包丁の知識を身に付け、店員さんにたくさん質問する。その質問に対応出来るかがお店を選ぶ基準になるとの事です。

食材を買うお店を選ぶのと同じように、包丁を買うお店も選んでみてはいかがでしょうか?

包丁の種類

タロ
タロ

包丁って色んな種類があって
どれを選んだらいいか悩むんだよなぁ

包丁の種類はたくさんあり、プロの料理人は食材によって包丁を使い分けています。
ここでは家庭で使われている一般的な包丁をご紹介します。どの包丁を選ぶかの参考にして下さい。



・三徳包丁
肉・魚・野菜など、様々な食材にお使い頂けます。最も家庭向きな包丁と言えます。
・出刃包丁
魚をさばくのに適した包丁です。刃が厚めで重さもあるので骨も切ることが出来ます。
・柳刃包丁(刺身包丁)
刃渡りが長いのが特徴です。肉や魚の切り身を刺身にする際に1回で引き切れるように出来ています。
・ペティナイフ
果物や野菜の皮むきに向いた小さめの包丁です。

タロ
タロ

家庭用なら三徳包丁とペティナイフがあれば大丈夫だね

包丁研ぎの手順

研ぎ台の設置

まずは研ぎ台の設置をします。
写真の研ぎ台は迫田さんおすすめのお手製のものです。
箱はホームセンター等で売られている道具箱。それに木の板をT字に固定します。木の板は「そこら辺で拾って」と迫田さんはおっしゃっていましたが、100円ショップでも買えます。
固定に使うC型クランプも100円ショップで売られているそうです。でも25ミリのものがなかなかないので、見つけたら買い占め必須とのこと。

この研ぎ台の良いところは、板の傾斜が自分から向こう側になることで服が濡れないとこだそうです。
研いでみて感じたのですが、確かに全く濡れませんでした。そして周りも汚れません。

以前、知り合いの料理人から濡らした布巾を砥石の下に敷いて研ぐ方法を習ったのですが、その時は研ぎ汁で服もシンクも汚れて掃除が面倒だったんですよね。
この研ぎ台はさっそく我が家でも取り入れようと思いました!

箱に水を入れて砥石を水に浸したら準備OK!

砥石(といし)

包丁研ぎには荒砥石・中砥石・仕上げ砥石の3種類の砥石を使います。
一般的に販売されている砥石は人造砥石で、目の粗さを番手という数字で分けています。
番手とは粒子の大きさのことで、「#」の後の数字が小さいほど粒度は荒くなり、逆に大きくなるほど粒度も細かくなります。

実際に砥石の粒子を触らせてもらいましたが、荒いとされている荒砥石の粒子でもかなり細かく、砂鉄に近い触感でした。一番細かい仕上げ砥石の粒子に至っては、片栗粉?ってほどの軽さと細かさで、これで包丁が研げるなんて信じられないほど。

砥石の荒さを選ぶ基準は包丁の種類にもよります。例えば、ステンレスの包丁の場合はやわらかめ、鋼製包丁は硬めの砥石を選ぶようにしましょう。

・荒砥石
#80~#500 削る力が強く、刃こぼれ・型直しの時に使用する。#500辺りのものがおすすめです。
・中砥石
#800~#2000 刃をつけるときに使います。#1000前後が使いやすい。
・仕上げ砥石
~#3000 最後の仕上げに使う。#2000以上のものが良い。

家庭では中砥石だけで十分という方もいますが、迫田さん曰く、砥石にはそれぞれ重要な役割があるため、必ず3種類使ってほしいとのことでした。

※使う砥石は10分ほど水に浸しておきましょう。

研ぎ方(両刃)

まずは包丁の持ち方。利き手側から研いでいきます。
親指は包丁の面、人差し指は背にあて、その他の指で包丁の柄をしっかり握ります。
反対の手の人差し指と中指は研ぐ場所の表面に添えて下さい。

迫田さん実演
迫田さん実演

刃の向きは自分側、砥石に斜めに置いて研いでいきます。刃の角度がブレないように気を付け、角度とスピードを一定に保ちます。この時、力はほとんど入れません。スピードも速くなくて大丈夫。

しばらくすると「バリ(カエリ)」が出てきます。触ってみるとザラッとした引っ掛かりが分かると思います。

バリが出たら反対側も同じ様に砥いでいきます。
※定期的に砥石に水をかけて下さい。包丁を滑らすために大事です

両面が研げたら、中砥石→仕上げ砥石の順に研いでいきます。慣れると10分程で研ぎ終わるらしいですが、私は30分以上かかってしまいました。それでもプロの仕上がりには程遠く及びません。奥が深い・・・。

仕上げ砥石で研いだ後は、新聞紙やタオルで残ったバリをこすり取ります。本来は皮(レザー)がいいらしく、職人さんは皮のエプロンを愛用される方が多いとのこと。レザーベルトでも代用出来るそうなので夫のベルトが狙いどころか・・・?

砥石は毎回同じ面で研ぐようにしましょう。違う面を使うと砥石に傾きが出て、研ぎ台に置いたときにグラつきが出てしまいます。
どの面を使うのか分かるように、油性ペンなどでマークを付けておくと良いです。

実際に切ってみよう

どのくらい研げたかは食パンを切ってみると分かります。
切れ味の悪い包丁だとパンが押しつぶされてしまいますが、しっかり研げた包丁だと刃がスッと入り断面もきれいです。
参加者の中には、向こうが透けて見えるほど薄くスライス出来ている方も!食パンをスライス出来るなんてすごい!!

私の鈍器と化した包丁も新品以上の切れ味に!

帰宅後、トマトや長ネギなども切ってみたんですけど切れすぎて逆に危なかったです。切る手が止まらないんですよね。包丁に右手を乗っ取られたような・・・。

「妖刀 鶴無楽咲(つるむらさき)」

そう名付けました。

こまち
こまち

いいな、それ

砥石のメンテナンス

包丁を正しく研ぐには砥石のメンテナンスも大事です。
使用後はしっかりと水洗いして、表面を平面に戻すための「面直し」をします。
砥石も包丁同様に削れますので、刃のあたる位置などで表面の水平が徐々に狂ってきます。それを直すのが「面直し」です。

迫田さん曰く、コンクリートブロックに擦るだけでOKとのこと。
実際、迫田さんも近所の公園のコンクリートブロックで面直しをしているそうなのですが、夜にその作業していたところ通報されたそうです。通報されやすい場所にお住まいの方は気を付けて下さいね。

また、複数の砥石がある場合は砥石同志を擦り合わせても大丈夫なのですが、その場合は研ぎ終わりの度に面直しするようにしましょう。

専用の面直し砥石もありますので、面倒や通報を避けたい方は購入も検討してみて下さい。

砥石の保管は、日陰でしっかりと乾かしてから直射日光に当たらない場所で保管しましょう。

砥石とセットで購入するとお得ですよ

包丁の「切れ味」は料理の「味」

この講座を受けて、プロの料理人が包丁にこだわる理由が分かった気がします。
なぜかというと、包丁の切れ味は料理の味に直接つながるからです。美味しい料理を作るには味付けだけではなく、舌触りや歯ごたえ(食感)も大事です。

切れ味の悪い包丁を使うと、食材の食感を損ねるだけでなく、保存における鮮度も悪くなってしまうとのことです。切れ味って本当に大事なんです。

最近は簡単で手軽に料理を美味しく仕上げる便利な調理家電や調味料が人気ですが、まず調理の基本である包丁の大事さを見直すべきだと私は思います。

そして大事な物ほど手間をかけるべき!
手間をかけた分だけ、料理を食べてくれる人にあなたの愛情が伝わるはずです!是非、包丁研ぎに挑戦してみて下さい。


迫田さんは出張での包丁研ぎ講座も行っています。興味のある方はHPをチェック!(迫田刃物さんの製品の購入もできますよ)

迫田刃物オフィシャルサイト

おしまい

>>迫田刃物二代目迫田剛さんによる【包丁研ぎ講座】を受けてみた (tarocoma.com)