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引っ越し時の退去費用27万円が最終的に1万円プラスになった話

雑談
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賃貸マンション・アパートから引っ越す際に発生する「退去費用」。言われるがまま支払ったことはありませんか?それ、すごく損したかもしれません!

私も以前住んでいたマンションを引っ越すときに27万円の退去費用を請求され、正直「面倒は嫌だから払っちゃおうかな」と悩みました。
でも、納得いかない金額ということもあり勇気を出して交渉した結果、なんと1万円返金されたのです!!

ネゴシエーターの才能があるのかもしれません。

今回は私がいかにしてこのような結果を出せたのか、その方法をご紹介します。
これから引っ越しをする方はもちろんですが、新しい部屋を借りる予定のある方も参考にして頂きたいです。

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退去費用の相場

賃貸物件を退去した後、大家さんは次の入居者が住めるような状態にするために壁紙の張り替えや床材の修繕、クリーニング等にかかる費用を負担しなければなりません。
しかし、入居していた側も入居時と同じ状態で明け渡す必要があります。これを「原状回復義務」と言い、それにかかる費用が退去費用です。

退去費用とは基本的には「修繕費」のことです。普通に生活していても壁紙が日焼けして黄ばんだり、家具の重みで床がへこんだりしますよね。他にも、故意じゃなくても壁に物をぶつけてしまったり汚れが取れなくなったり、、、居住年数が長くなるほど入居時と同じ状態を保つなんて不可能です。
なので退去費用は居住年数に比例して高くなっていきます。
間取りにもよりますが、3年住んで5万円前後請求される方が多いというアンケート結果もあります。

ちなみに私は1DKのマンションに12年住んで約27万円の退去費用を請求されました。
ウケる。

引っ越す理由を聞かれて「結婚するので」と伝えた時は祝福してくれたのに、1か月後に高額請求してくるなんて、、、きっとプライベートで何かあったのでしょう。

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修繕内容と賃貸契約書


修繕費の内訳は壁紙全面・床剥離・巾木・消臭・ハウスクリーニング・等々。覚えきれないくらい全部。全部直すから全額負担しろって内容でした。

部屋の受け渡しの際に言われたのは「タバコの臭いがしますねーおそらく壁紙は張り替えすることになると思います。後は問題ないかなー」とのことでした。

・・・床は??

後に現れた床の修繕費の謎。

確かに喫煙率の高い部屋でした。
でも基本キッチンの換気扇の下で吸ってたので廊下奥のトイレの壁紙の張り替えまで請求されるのは納得いかない。

何より震災で壁紙にヒビが入っており、管理会社からは「退去時にすべて管理会社側負担で張り替える」と書面で連絡がありました。
ただ、震災時の管理会社と退去時の管理会社が違うこととその書面が紛失したためこちらが少し不利。

賃貸契約書

引っ越し初日に紛失するこの契約書には退去時の注意事項がびっしり書かれています。
契約時に「契約書に従います!」と印鑑押しちゃってるので、仮に契約書に「退去時は借主がすべての修繕費を負担しろ」と記載があれば一撃です。

特にタバコのヤニ汚れに関しては賃貸借契約書に記載されている可能性が高いです
私も賃貸借契約書を確認したら、確かに「タバコのヤニ汚れは賃借人が全て負担する」と明記されていました。

このように退去時の修繕費の負担をどうするかについて細かく記載がある場合は、内容をよく確認する必要があります。あと無くさないように気をつけましょう。

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経年劣化と減価償却

賃貸借契約書の内容により不利になった私ですが、それを払拭出来るのが「経年劣化」と「減価償却」です。

そこで大事なのは何年住んだのかということです。

ちなみに私は12年住みました。これがかなり有利になるんです!

経年劣化

時間の経過とともに品質が低下することで、壁紙の日焼けや湿気で窓のゴムが痛むなどは経年劣化に分類され、これらの修繕は大家さん負担です。なお、トイレやお風呂など最初から取り付けられていた設備も経年劣化の対象になります。

もう一つ、「通常損耗」とうのもあります。これは家具による床の凹みや傷など普通に暮らしていて発生する損傷です。

この経年劣化と通常損耗は大家さん負担になります。

こまち
こまち

じゃあ、俺がボロボロにしてやった壁紙は通常損耗だな。

猫の爪とぎは普通の生活だ

猫の爪とぎもタバコのヤニも修繕費を請求されます。盛岡のアパートを出るときは破産するかと思いました。こまちのせいで。

減価償却

減価償却とは簡単に言うと物や資産の寿命です。家電や車などが永遠に使えないように、壁紙や床材にも寿命があり寿命を過ぎると価値はなくなります。
つまり価値がなくなった壁紙を弁償する必要はあるのか?ってなります。

物や設備・資産は使用できる期間が法で定められています。これを「耐用年数」といいます。
私の場合はネックになっているのがタバコのヤニによる壁紙の変色と臭いだったので、まずは壁紙の耐用年数を調べました。

6年

結構この6年というのが肝でして、壁紙(クロス)やクッションフロアは6年で減価償却で価値は1円になります。
さらに減価償却は過失や故意があっても、契約違反があっても行えます。
つまり6年以上住めば、ヤニも猫の爪とぎも大丈夫!になるかも!
私は12年住んだので余裕のクリア。
そもそも毎月支払っている家賃には修繕費も含まれているのです。部屋で戦争でも始めない限り12年住んで全額負担なんてわんぱくはまかり通りません。

これらについては国交省の原状回復にかかるガイドラインにも明記されています。

消費者センター

消費者センターは身近なトラブルの相談に乗ってくれます。全国にあり、相談料は無料。電話での相談にも対応してくれます。
退去費用に関する相談にも慣れているので、ガイドラインにのっとり適切な解決策を提示してくれます。

人に相談するのは恥ずかしいとか、大事にしたくないとか躊躇する方も多いでしょう。私も最初はそう思いました。
でも、同じ悩みを抱えている人ってすごく多いんですよ。
退去費用のトラブルはよくあることです。特別な悩みでもありません。「今日の夕飯何作ろう」と一緒です。
クックパッドで検索する気分で消費者センターに相談してみて下さい。

さて、私がセンターの人に言われたのは

「払う必要はありません」

でした。やはり6年以上住んだことは大きいとのことで、賃貸借契約書には「タバコのヤニによる汚れは自己負担」と記載があったのですが、減価償却を行えるため問題ないとのことです。
さらに契約書には退去時のクリーニング代についての記載がなかったため、こちらが負担する必要もなくなるかもしれないと!
弁護士さんに相談して、敷金の返金も可能かもと!
そもそもこんな高額請求は初めてのケースですとも言われました。
私より熱くなってるセンターのお姉さんの心強い後押しに、普段は闘争本能0の私もすっかり臨戦態勢!

いける!

全国の消費者センターの検索はこちらから

管理会社との交渉のポイント

シミュレーションをする

管理会社に電話する前にまずはシミュレーションすることにしました。
相手も人間。最初からオラオラでいくとおそらく増額される。

始まりはあくまでも下手に、タバコの件は反省してる、払わなきゃいけないのは分かってる。
って感じで最初は
「ご相談なんですが、、、今すぐは、、難しくて、、、」
みたいな感じで相手の出方をみました。なんなら涙声で。

わたしの演技力が光りました。
「大家さんに相談してみます」とのことで一旦終了。
数日後、当初より半額になった請求書が届きました。それでも10万円以上。

はいはい、そうきたかとね。
まあ、想定内です。いきなり0円ってことはないだろうと思ってました。
大体の人ならここでやり取り終了、半額にしてくれてよかったーとなるでしょう。

私は違います。戦うことをやめません。

消費者センターと弁護士がビッグワード

2回目の電話。
ここからはちょっと強気にいきます。

「こちらでも色々調べたり、消費者センターにも相談しまして、、、やはり12年住んで退去費用を請求されるのは普通はないとのことでしたが、、大家さんは何と?」

みたいなニュアンスで。口調ははっきりと。「消費者センターに相談した」というのが大事です。面倒なことになってきたと思わせることが重要。
返答は、契約書に記載されてるタバコの汚れは自己負担の項目についてでした。

ここでたたみかけます。

「そうですか。消費者センターの方からは、弁護士さんに相談したらクリーニング代を払う必要もないし敷金も返ってくるようになるって言われましたが、私としてはタバコで汚してしまったことは反省してますのでクリーニング代は負担するつもりでいます。敷金はクリーニング代にあてて頂いて構いません。そのようにもう一度大家さんにお伝えして頂けませんか?」

こんな感じの最終局面。
弁護士」これが大事です。あちらが一番避けたい存在。時間と費用がかかり、今回の状況だとほぼ間違いなく私の勝ち。



数日後

返答は






大家さんが、12年も住んで頂いたのでお客様のおっしゃるようにクリーニング代のみご負担頂くかたちでお願いしたいとのことでした

はい。ご検討頂きありがとうございました。

敷金からクリーニング代を引いて残りの1万円が後日振り込まれました。

プロに相談する

今回は私のケースですので同様にいかない場合もあると思います。
そのような時は専門知識のあるプロに相談してみましょう。

行政書士や弁護士は不動産トラブルを解決してきた経験があります。相談料は無料のところがあるので、話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になります。

無料で相談にのってくれる公的機関は、私も利用した消費者生活センターがおすすめです。
管理会社と直接交渉はしてくれませんが、解決の方法や弁護士の紹介をしてくれます。

まとめ

まずは賃貸借契約書をよく確認すること
居住年数と請求された内容が減価償却を行える範囲内か調べる。
消費者センターに相談してみる。
必要があれば弁護士さんに相談してみましょう。
あとはシミュレーションと演技力と折れない心!決して感情的にならずに冷静に。

払って解決すると確かに面倒は避けられるし大家さんとも友好な関係で終われるでしょう。
私はわりと無機質な人間なので、もう関わることのない人にどう思われようと気にしません。何より納得いかないことには1円たりとも払いたくない。

ただ、汚したことはこちらの過失で反省していますし、ご迷惑をおかけしたのにこちらの要望に沿った返答を頂いて、大家さんには本当に感謝しています。

今回はあくまでも私のケースです。すべての状況に当てはまるわけではありませんので、参考までにとどめて頂きたいです。
あきらめて支払いに応じようとされる方の後押しになれたら幸いです。


おしまい

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